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心のバランスと免疫について

心のバランスは健康の重要な要素です。ストレスフルな現代で心を病む人が増えて問題となっています。心の病と免疫は、何の関連もなさそうですが、最近、その関連が注目されています。

細胞伝達物質の影響


咳がとまらない、高熱で具合が悪いときは、身体のつらさばかりでなく、やる気が起こりません。インフルエンザや細菌に感染すると、身体の中で免疫細胞から炎症性サイトカインが作り出されます。サイトカインのような細胞から分泌される低分子のタンパク質は細胞間相互作用に関与し周囲の細胞に影響を与えます。もちろん神経系にも作用を及ぼします。

つまり身体が病気と闘っていると炎症性の細胞伝達物質が生産されるため、その影響を受けるという訳です。感染症やガン、リウマチなどは炎症性サイトカインが高まりやすい身体の状態と言えます。そのような時はゆっくり身体を休めたほうがいいので、神経に働きかける仕組みとしては非常に理にかなった作用とも言えますが、この作用が強くなりすぎると生活に支障が出たりします。

神経や免疫は生体機能に密接に関わり合う

交感神経・副交感神経、様々な神経伝達物質が免疫応答を調節することが知られていて、免疫作用にサイトカインが神経機能や精神機能の調節に関与することが注目されています。神経に働きかけるような薬剤が処方されることもありますが、そのような薬剤の副作用にウツがあらわれることもあるのです。
心の病では外見上大きな変化はありませんが、末梢血の免疫細胞を調べると炎症性サイトカインを出しやすい状態になっていることがわかってきました。今研究がすすめられているエリアです。このように、神経や免疫というシステムは、人の生体機能を維持するために、密接に関わり合い、調節し合う複雑な高次機能ネットワークであると言えるでしょう。