フレイル予防
超高齢化社会(前回の記事参照)を迎えて、高齢者の活躍が期待されています。そのため健康寿命を延ばすことが重要になってきました。加齢とともに気力や体力、心身の活力が低下した状態は「フレイル」と呼ばれていますが、フレイルは要介護に移行する段階でもありますが、一方で早期に気づき、悪化を予防するとこで健康な自分に戻ることが可能なステージとも言われています。フレイルは効果的に予防が可能な段階。介護が必要になる時期を先送りして、健康を長く維持しましょう。
フレイルとは
虚弱を意味する「Frailty」からくる言葉で加齢による心や身体の活力の低下が起こった状態。具体的には健康な状態と介助が必要な介護状態の中間を意味します。早期に兆候を見つけて生活を見直すことで改善する可能性があります。
フレイルの要因
生活習慣病などの重症化や加齢にともなう心身の変化による2つの要因があります。筋力や基礎代謝、食欲の低下による状態がさらなる筋力低下や体重減少につながる悪い循環(フレイルサイクル)が生まれます。骨折や慢性疾患の悪化が起こりやすく、要介護状態になる可能性が高まります。
フレイルセルフチェック
自己チェックで身体を確認しましょう。当てはまるボックスにチェック☑を入れます。
2~3kgの体重減少がある。(半年以内) | ❑ はい◉ ❑ いいえ |
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歩く速度が遅くなってきた。1m/秒未満 | ❑ はい◉ ❑ いいえ |
軽い運動を週1回以上している。 | ❑ はい ❑ いいえ◉ |
5分前のことが思い出せない。 | ❑ はい ❑ いいえ◉ |
疲労感が続く。とれない。 | ❑ はい◉ ❑ いいえ |
◉がつく回答にチェックはいくつありましたか?
0個 問題なし 1~2個 予備軍 3~5個 フレイル
フレイル予防のための日常生活で注意したいポイント
フレイルを予防するために生活習慣病の予防、食生活、身体活動のポイントをバランス良く日常生活に組み込みましょう。かんたんに見直せるのは食事です。1日3回、欠かさずに食べて、筋力低下を予防するためにタンパク質を含む「主菜」「副菜」をとりましょう。魚や大豆、たまご、野菜類、きのこ類、海藻を使った料理を食卓に並べます。しかし、オーラルフレイル(口の衰え)になって、せっかくの料理も食べることができなくては意味がありません。フレイルを予防改善するためにはお口周りの機能や健康の衰えを見過ごさずに早めに対処しましょう。このような症状に気づいたら、早めに対処!が肝心です。歯磨き清掃や定期検診、口周りのマッサージを効果的に用いましょう。
- 硬いものが食べにくい
- 口が乾燥しやすい
- 食べるとよくむせる
フレイル予防
フレイルにならないよう、あるいは進行を防ぐために、普段の生活で心がけたいことがいくつかあります。
持病のコントロール
高血圧や糖尿病などの慢性疾患がある場合は、医療機関を受診しましょう。適度な運動
かかと上げ、片足立ち、スクワット、上体起こしなどの運動を行ない、筋力の維持・増強を図ります。骨格筋の形成・維持に必要なたんぱく質を十分に摂取しましょう。規則正しく、バランスのよい食事
たんぱく質、カルシウムを含む食品をバランスよくとることが勧められます。一人での食事は、栄養が偏りがちになります。家族や友人と一緒に楽しく食事をすることで、食欲も高まります。感染症の予防
手洗いやうがいを積極的に行ないます。外出の機会を増やす、社会活動に参加する
家に閉じこもりがちになると、運動器の機能の低下につながります。地域社会に積極的にかかわり人と交流することがフレイルの予防に効果的です。食事や運動に気を配り、毎日の生活を充実させることでフレイルを予防しましょう。