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ストレス社会に生きる現代人


私たちは、さまざまな刺激にさらされています。時代とともに社会の複雑化は進んでいて、進化に伴って受ける刺激の種類や量が増え続けています。現代のように多様かつ慢性的な刺激に対して、人の身体はどのような反応をしているでしょうか。

さまざまな刺激

人は外部から刺激が加わると、心がそれを受け取り、身体が反応して変化します。刺激の伝達経路には複数あると言われていますが、主に自律神経系が担います。外部からの刺激を「ストレッサー」、そしてストレッサーによって引き起こされる生体の反応を「ストレス」と定義をしたのはハンス・セリエ(1907~1982)という研究者でした。

 

 

 

ストレス(正しくはストレッサー)は、以下のようなものが代表的です。

  • ①物理的なストレス
  •  騒音、温度湿度、けが等
  • ②生理的なストレス
  •  睡眠や栄養不足、細菌感染
  • ③心理的・社会的ストレス
  •  人間関係、不安、怒り、恐怖、失望等

ストレスの作用


誰にでもストレスはあって当然ですが、ストレスが、その人の耐えられる限度を超えてしまうと、心や体に変化が起こります。酒量が急に増す、暴飲暴食、派手な散財をする等。行動に変化が現れた場合は注意しなくてはなりません。慢性的で過度なストレスは、自律神経のバランスを崩します。やっかいな点は、影響を受ける自律神経は、無意識で反応する神経であり、自律神経の不調和に対する自覚的なコントロールが効かないという点にあります。

体調不良の原因


体の不調の背景にもこころの問題が潜んでいるとすれば、胃潰瘍や偏頭痛など、わかりやすい身体の症状を引き起こしていても表面的に過ぎない可能性もあります。最近増えている「うつ病」も、身体症状の陰に精神症状が隠れてしまい、本当の病気が見逃されてしまうことが多いのです。ですから、体に不調があって、治療をきちんと受けているにもかかわらずいっこうに症状が改善しないという場合は、自分のこころに目を向けてみることが必要です。

ストレスの許容値


ストレスの許容値は、人によってかなり差があります。同じようなストレス刺激を受けても、病気になる人とならない人がいます。その違いは、ストレスの受け取り方によって決まるということです。ストレスからくる体の変調を予防するには、外部からのストレスを減らすだけでなく、自分の内面にも目を向けることが必要になります。