食卓で朝の食事をとる女性

しばらく続けていたものを、あるときやめる。旅行に行った、忙しくて買い忘れた、なんとなく飽きた。理由はいろいろですが、やめてしばらくすると「戻ったな」と感じることがあります。では実際のところ、腸の中では何がどこまで戻っているのでしょうか。ここで大事なのは、腸活と呼ばれているものが一つではないという点です。摂っていたものによって、戻り方はまるで違います。

目次

やめると、思ったより早く戻ります

続けていたときの感覚を覚えていると、やめたあとの変化は意外と早く感じられます。数週間かけて整えたつもりのものが、数日で元の調子に近づいていく。そこで「積み上げたものが崩れた」と受け取ってしまう方は少なくありません。

ただ、この速さ自体は、うまくいっていなかったことの証拠ではありません。むしろ、何が起きていたのかを正しく表しています。腸内環境は貯金のように積み上がるものではなく、毎日の入力に対して応答している状態だからです。入力が止まれば、状態も戻ります。

問題は、その「戻る」の中身です。同じように見えて、少なくとも二通りあります。ひとつは外から入れていた菌をやめた場合、もうひとつは食物繊維のように腸にいる菌の餌をやめた場合です。この二つは腸の中で起きていることがまったく違うので、分けて考えたほうが理解しやすくなります。

摂っていた菌は、やめた時点で供給が止まるだけです

ヨーグルトやサプリメントで菌を摂っていた場合、やめて起きるのは、腸の中から菌が失われることではありません。外から入ってくる分が来なくなる、それだけです。

外から入った菌の多くは腸に住みつかず、数日で便とともに出ていきます。続けているあいだも、住みついていたわけではありません。毎日新しく入ってきては通り過ぎる、その繰り返しでした。ですから、やめて数日で元に戻るのは当然のことで、崩れたわけではないのです。

この点は少し受け取りにくいかもしれません。せっかく続けたのに残らないのか、と感じる方もいます。ただ、通り過ぎる数日のあいだにも、その菌は乳酸や酢酸などを作って置いていきます。腸の中の環境は、その供給によって保たれていました。作られたものが使われて消えるのは、はたらいた結果であって、失敗ではありません。

そして逆に言えば、失ったものもありません。また摂り始めれば、同じ状態にすぐ戻ります。積み上げが崩れたのではなく、蛇口を閉めただけだからです。

食物繊維をやめたときは、話が少し違います

一方、食物繊維や発酵性の糖質を意識して摂っていた場合は、動くものが違います。外から菌を入れていたのではなく、もともと腸にいる菌に餌を渡していたからです。

餌が届いているあいだ、それを使える菌は増えます。届かなくなれば、その菌は減ります。増えたり減ったりしているのは、通り過ぎる菌ではなく、住んでいる側です。ここが先ほどとの決定的な違いになります。

さらに、繊維から短鎖脂肪酸が作られる過程は、複数の菌が受け渡しをしながら進みます。入口の材料が止まると、その先の受け渡しも一緒に止まります。ですから戻り方も、菌をやめたときより少し緩やかで、範囲が広くなります。

目安として、菌をやめた場合は数日で入れ替わりが済みます。繊維をやめた場合は、常在菌の増減を伴うぶん、もう少し時間をかけて動きます。ただしどちらも一方向に崩れていくのではなく、餌のある状態に見合った構成へ落ち着くだけです。

とはいえ、これも失われたわけではありません。餌が戻れば、使える菌はまた増えます。腸内細菌は、置かれた環境に応じて構成を変えているだけです。

同じようにやめても、戻り方は人によって違います

ここまで一般的な話をしてきましたが、実際には「どこまで戻るか」は人によってかなり違います。

理由は、やめる前の土台が違うからです。もともと繊維をよく摂っている食事をしている人が、上乗せの一品をやめても、下がり幅は大きくありません。逆に、普段の食事に繊維がほとんどなく、その一品だけで支えていた場合は、やめたときの落差が大きくなります。

住んでいる菌の顔ぶれも人それぞれです。受け渡しの途中を担う菌が十分にいる人と、そこが薄い人とでは、同じものを摂っても、同じものをやめても、起きることが変わります。

加えて、体感として現れるかどうかにも差があります。腸の中で構成が変わっていても、便通や張りとして自覚できる範囲に入らないことは珍しくありません。逆に、変化としては小さくても敏感に気づく方もいます。感じ方の差は、腸の中の変化の大きさとそのまま対応しているわけではありません。

ですから「やめたら何日で戻る」という一律の答えはありません。ご自身がどうだったかのほうが、はるかに参考になります。

「続ける」を軽くしておく

こうして見ていくと、腸活で続ける意味は、何かを蓄えることではないと分かります。供給している状態を保つ、それが実態です。蓄積ではなく、その日その日の入力です。

そうであれば、考えるべきは強度ではなく続けやすさのほうです。手間のかかるやり方ほど途切れやすく、途切れれば供給は止まります。毎日無理なく置いておける形に落としておいたほうが、結果として長く続きます。

旅行や忙しい時期に途切れるのは、続けている人なら誰にでも起きます。そこで再開のハードルが上がってしまうほうが、途切れたこと自体よりも影響が大きくなります。やめた期間を取り返そうとして量を増やす必要もありません。元の量に戻せば十分です。

やめてしまった時期があったとしても、失点にはなりません。また始めれば、同じところから再開できます。腸内環境は、そういう付き合い方ができる相手です。

🦠
あなたの腸活タイプをチェック
7つの質問に答えるだけで、腸内環境の傾向がわかります。約1分で完了。
診断する →
あなたの腸内環境、気になりませんか?
正規取扱店でのカウンセリングで、あなたに合ったケアをご提案します。
取扱店を探す →
#腸活#腸内細菌#食物繊維#短鎖脂肪酸#習慣#プロバイオティクス